トドマツ

マツ科モミ属(Pinaceae Abies)

木目テクスチャ

※ この画像は Dall-E 3 を利用して生成したため、実際と異なる場合があります。

説明

トドマツ(マツ科モミ属)は、北海道や千島列島、サハリンに分布する常緑針葉樹であり、その経済的および生態的な重要性から注目されていますが、特に北海道では天然林の蓄積量が多く、人工造林も盛んです。
この樹種は、低地から高山帯に至るまで広範囲に渡り分布しており、それぞれの標高域で遺伝的に適応した個体が生育しているため、高標高(1200m以上)に生育する個体と低標高(600m以下)に生育する個体の間には、樹高、生理形態、針葉の形態などにおいて顕著な違いがあります。
こうした標高に関連した生育特性は、地理的遺伝構造として長年にわたり研究されており、東京大学大学院農学生命科学研究科の研究者らが、30年以上にわたる研究の成果として、異なる標高の個体を交配し、量的遺伝子座(QTL)を解析することで、標高適応に関与する特性を支配する遺伝子座の特定を進めています。
この研究は、トドマツの標高適応の遺伝的基盤を解明する手がかりとなるものであり、特に、樹冠面積に関連する遺伝子座が、サイトカイニン・シグナル伝達にかかわる調節因子と類似することが明らかになり、今後、これらの遺伝子が本当にトドマツの生態や生育にどのように関与しているのかを詳細に解明することが求められています。
併せて、トドマツはアロマとしても注目されており、その精油がスギやヒノキ花粉によるアレルギー性を低下させることが研究機関の実証実験でわかっており、伝統的にアイヌの文化でも接着剤や住居材料として利用されていたことが知られていますが、一方で、トドマツは厳寒の気候下では、「凍裂」と呼ばれる幹の縦割れ現象が生じることがあり、これが材としての利用に影響を及ぼすこともあります。

原産地

ロシア(北洋)材、欧州材

比重

気乾比重: 0.41

強度

中程度の強度で、加工・使用において安定性が高い

別名、現地名

椴松

色調

ほぼ白色から淡黄白

木理と肌目

均一で滑らかな木理、年輪がはっきりと見える

木材の加工性

乾燥と加工は容易で、機械的特性も良好だが、水食い状態に注意が必要

木材の耐久性

腐朽に対する耐性は低く、湿気の多い場所で使用する際は注意が必要

用途

建材、製材、パルプやチップの原料、松飾り

取り扱い時の注意点

水食い材は含水率が高く、強度が変わる可能性があるため注意が必要

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