ダチスク科オクトメレス属(Datiscaceae Octomeles)
※ この画像は Dall-E 3 を利用して生成したため、実際と異なる場合があります。
ビヌアンまたはエリマ(Octomeles sumatrana)は、テトラメレス科(Tetramelaceae)に属する唯一の種であり、以前はダチスク科(Datiscaceae)に分類されていたが、分子系統解析により独立した科に再分類された常緑高木で、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、ソロモン諸島など東南アジアから南太平洋にかけての熱帯雨林に広く分布し、樹高は通常50〜60メートル、最大で75メートルに達し、幹径は2.5〜4メートル、板根は高さ6メートル、幅10メートルに及ぶこともあり、直立した円筒形の幹は30メートル以上無枝で、若木の樹冠は輪生枝による塔状、成木では半球状を呈し、葉は長さ12〜30センチメートル、幅6〜23センチメートルの単葉で、螺旋状に配置され、5〜7本の掌状脈を持ち、雌雄異株で、雄花序は長さ20〜60センチメートル、雌花序は8〜12センチメートルの下垂する穂状花序を形成し、果実は長さ約12ミリメートルの樽形の蒴果で、熟すと上部から裂開し、多数の微細な種子を放出し、主に標高1000メートル以下の低地熱帯雨林、特に河川沿いや沖積地に自生し、火災耐性があり、先駆種として伐採跡地や裸地に急速に定着し、土壌を安定化させる能力が高く、成長速度は非常に速く、4年間で高さ25メートル、胸高直径47センチメートルに達する例も報告されており、寿命は比較的短く、最大でも85年程度とされる。
木材は「ビヌアン」「エリマ」「イルモ」などの名称で知られ、心材は淡黄色から黄褐色で、時に紫がかった色合いを呈し、辺材との区別は明瞭でないことが多く、木理は交錯し、肌目は中程度で均一、比重は約365kg/m³と軽量で、加工性に優れ、乾燥時の収縮率は接線方向で4.5%、放射方向で0.13%、耐久性は低く、地上での使用で7年未満、地中での使用で5年未満とされ、シロアリや木材虫に対する耐性も低いため、保存処理が推奨されるが、辺材は保存剤の浸透性が高く、心材への浸透は困難であり、用途としては合板の芯材や裏板、コンクリート型枠、梱包材、マッチ箱、棺、カヌー、家具、内装材、パルプなどが挙げられ、特にパルプ・製紙用途では繊維長が平均1565μm、繊維壁厚が約3μmと適度で、品質クラスIIに分類され、引張強度や折り曲げ強度、引裂き強度に優れた紙を製造できるとされる。
また、若葉は野菜として食用にされ、葉の抽出液は腹痛の治療に用いられ、樹皮からは染料が得られる。
南洋材
気乾比重: 0.35
柔らかく軽量で、脆弱性があるため構造用途には不向き
バヌアン、ビヌアン・トリ、エリマ
心材は淡い茶色またはピンクがかった色合いで、辺材はほぼ白色だが目立たない
繊維は交錯し、粗く、仕上げが粗い仕上がりになる場合がある
手工具及び機械工具で加工が容易だが、刃物が鈍っていると崩れやすい
耐久性は低く、腐朽や虫害に弱い
合板の芯材、梱包箱、パレットなど一時的な用途、紙パルプ製造
工具を使う際は刃物を鋭く保ち、丁寧に扱う必要がある
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